上柿元シェフ


6月10日
我が家に上柿元シェフがいらっしゃった。
上柿元シェフは、フランス料理の大御所で、
まさに日本を代表するシェフである。
料理人の世界では、雲の上の上みたいなお方だ。
上柿元シェフとは2006年に盛岡のメトロポリタンホテルで
お食事会があった時に初めてお会いした。
我が家のヨーグルトをとても誉めて下さって、
その時も「生産現場が見たい」と
はるばる牧場まで足を運んで下さったのだった。
あの頃、まだ1歳になるかならないかの
長男を抱っこしてくれている写真は我が家の大切な記憶の1つだ。
あれから6年。
上柿元シェフが再び盛岡にいらっしゃる事となった。
今回は料理人対象の講習会の講師としてだそうだ。
そして、三谷家にとっては凄く凄く感激な事に
「せっかく岩手にいくなら、三谷さんの所に行きたいな」と
リクエストして下さったのだ。
上柿元シェフと牧場を散歩しつつ
色んなお話をした。
シェフが料理人を目指したきっかけや
人知れず練習を重ねた20代の頃のお話・・・。
どんな時でも、まるで物語の中の人物みたいに
並外れたバイタリティーで人を魅了する上柿元シェフ。
「苦楽は己の内にある。辛い事も、いい事も、みんな
 自分次第なんです。」
そうおっしゃって、穏やかに微笑んだ。
その昔、お江戸の言葉に
「お心肥」という言葉があったそうだ。
人間は欲望のままに、食べて体を肥やしてしまいがちだけど、
品格や教養を身につけて頭や心も磨かなくてはいけない
という教えを説いた言葉らしい。
今回、我が家はまさに「お心肥」なひと時を過ごした。
上柿元シェフはいつまでたっても素敵なお方だ。
きっと、ずっと「お心肥」を心がけていらっしゃったのだろう。
お料理にも、生き方にも妥協しない方なのだろう。
我が家は、改めて「上柿元信者」となった。
すばらしい「お心肥」でした。