ホコリ虫

我が家は虫が多い。
人間界に虫がいるというより、
虫の繁華街に潜む人間と表現した方が正しいくらい。
よくもこれだけ進化したものだと感心するほど、
多種多様な虫がいる。
そんな状況下で
とっても珍しい虫を見つけた。
台所の湯呑のフチを2mmくらいの
ホコリのようなものがトコトコ歩いていた。
「なんだ!!これ!?ホコリが歩いてる!!」と
三谷家は無駄に高揚し、
「新種だ!新種だ!」と捕獲した。

これだけの虫がいるのだから、1つくらい新種でも
おかしくないわっ!と、変に確信した三谷家は
早速、週末には岩手県立博物館を訪れ
学芸員さんに「ホコリ虫」を渡して品定めをお願いしたのであった。
(ホコリ虫は既に死亡している)
新種と認定するには、数々の文献を調べて
一致するものがないか確認し、その上で論文として
世に発表するのだそうだ。国内のみならず、海外の文献にも
及ぶので、大変時間がかかるそうだ。
「もしも、新種だったら、MITANI虫かしら!?
 町おこしの為に奥中山虫でもいいね!」と
ワクワクドキドキ、無駄に高揚したまま帰宅して
PCのメールを開いたら、学芸員さんからメールが来ていた。
「これは新種ではありません。」
ズゴ〜ン!!
「これはクサカゲロウの幼虫で、カモフラージュのために背中に
 草などをくっつける習性があり、家の中だったので、ホコリをくっつけていたのでしょう。」
そして、我が家の新種フィーバーは終わった。
だけど、こんな思いつきの私達を
嫌な顔1つせずに、親切に対応して下さった学芸員さんには
本当に感謝している。
そして、そんな虫がいた事も、
学芸員さんの迅速丁寧なお仕事にも、
博物館の素晴らしさも、
三谷家的新発見の連続だった。
だから、とても満足している。
「顕微鏡で拡大した写真も添付します。」
と、これまたご親切で頂いたお写真には、
「ホコリ虫」と若干バカにしていたのに
意外と怖い顔をしていて、これまた驚いたのだった。
もしこれが巨大化して
「ホコリ虫とか言ったの誰や!?」って襲ってきたら
絶対、平謝りして死んだふりをすると思う。