岩手言葉

奥中山に住み始めて12年。
沢山の岩手言葉に惑わされて参りました。
「もんずら」とか
「かっかんべ」とか
「ぎゃんだか」と・・数え上げればきりがない程、
岩手言葉は、標準語をかすりもしないものでした。
そして、12年も経った今、
私はすっかり「岩手言葉マイスター」だと
思い込んでおりました。
確実なヒアリングもさることながら、語彙の獲得率に
自負心たっぷり!私は岩手人なのだ!
・・・って思っていたのにさ。
一戸町のスーパーアドバイザー「梅ちゃん」が
ひょっこりやって来て、いつものように
井戸端会議をしていた時の事です。
「いんや〜、やっぱり、商売はゆっくり成長するのが
 一番だっけや!お宅のようにね、
 夫婦でぴちこぴちこ働ぐのが、一番なんだじゃっ!」と
間髪入れずに
「ぎゃはは!ぴちこぴちこって!!」と突っ込む妻。
梅ちゃん語録炸裂だと思ったら、なんと
「あれ?これは、方言なんかな?
 そういう時にはよく「ぺちこぺちこ」とか
 「ぴちこぴちこ」って言うっけよ。」
・・なんとな〜く雰囲気の伝わる言葉である。
「夫婦二人で毎日せっせと働く」を
「夫婦二人で毎日ぴちこぴちこ働く」と言う。
「ぴちこぴちこ」
まるでツガイの小鳥かなんかが、小さな巣の中で
いじらしく、たくましく暮らす様を、見事に表現しているではないかっ!!
岩手言葉恐るべしである。
本当に奥が深いよ。
マイスターを気取っていた自分が恥ずかしいよ。
奢らず、怠けず、ぴちこぴちこ生きて行こう思います。