新しいお店

先日、突然のお電話があった。
「もしもし、御社のチーズっていくらですか・・・?」
と、開口1番にこう切り出されてしまった。
妻は、自分の無礼者振りを棚に上げる人間である。
「名前も名乗らんヤツにはあげないよ〜だっ!」とまでは
言わなかったが、ヤンワリ「いやだ」と申し上げた。
「ところで、どちら様ですか!?」というかなり棘のある物言いに
先方様は
「三谷さんと、面識があるんですが・・・。
 以前、フレスキッシマで働いていた若い男です。」
「・・・若い?男?」
よくよくお話すると、3ヶ月ほど前にフレスキッシマさんを
退職なさったシェフでした。
新しい会社で新しく
イタリアンのお店「da cotta」をオープン予定との事。
我が家のチーズをメニューに入れたいと考えて下さったそうです。
突如としてスーパーフレンドリーになった妻でした。
「ああ〜!!N君かあ〜!!!頑張ってますかぁ〜〜???」
お店が変わっても、我が家を覚えていてくれた事が
嬉しかった。
Y君の相変わらず不器用な感じも懐かしかった。
早速、ご挨拶がてらお会いしましょうと
お伺いしたところ、
料理長sさんも
元アリーブの方で、面識のある方でした。
「メニューの参考にしようと、東京の3星レストランさんで
 お食事したら、モッツアレラそのものを頂くような
 美味しいサラダが出てきて・・・。
 それで、三谷さんを思い出して、ご連絡致しました」
なんとも熱心な方です。
食材探しに、遠く九州までお魚をお求めに行ったそうで、
「美味しいものを集めたい。生産者とは必ず会う。
 そして、交渉するようにしています。」
との事で、新店に並々ならぬ意欲を感じました。
偶然にも、ホールスタッフの1人も
アリーブ出身の面識のある方で
「アリーブ産」の多いお店です。
「僕等、アリーブさんとは仲良くやっていく姿勢ですよ。
 もちろん!」
という彼等。
盛岡がやる気のある人達で活発になったら面白い。
「頑張れ!」と大きな声で独り言(のつもり)を言った。
アリーブ産の3人が大きな声で
「はい!頑張ります!!!」と背筋を伸ばしたのであった。