お月様になりたい

ここ数日で、グッと冷え込みが厳しくなりました。
そして、秋の夜長です。
保育園のお迎えの時間、
すっかり暗くなった空には
ピンポン玉ほどのお月様が浮かんでいる。
「ねえ、お母さん・・・」
車の後部座席から何やら深刻そうな長男の声。
「何?」
「お母さん・・僕、お月様になれる?」
「どうして、お月様になりたいの?」
「だって、空飛んでる!!僕、お月様になりたい!!」
「お月様か〜・・・」
しばらく沈黙。
「お月様は、お空の同じ道しか通れないんだよ。
 東から昇って、南のお空を通って、西に沈むの。
 それでも、いいの?」
しばらく沈黙。
「そっか、毎日それは大変だな。
 じゃあ、やっぱり僕、手が羽になったほうがいいや!」
晩秋の無邪気な会話に、ちょっと癒されたのでした。
そんな長男も来年は小学生になる。