ロールベール・2011


ロールベール・2011
これは、地ビールの名前ではない。
そして、写真の丸いパステルカラーのボールは
飴玉や、マシュマロではない。
牛のご飯である。
毎年、干草を丸めて
ラップに包んで冬の備えとするのだ。
それを「ロール」と呼んでいる。
今年のロールはとってもキュート!!
乙女心をくすぐる一品だ。
「これって、かわいい〜〜〜!!すっごくいい!」
と喜ぶ妻に向かって夫は言った。
「お洒落なんてするかよ。ロールに。
 この色合いだと、カラスには見えにくい色合いなんだってさ」
ロールの中身は干草である。
だから、ラップに穴など空いて水気が入ってしまうと
中身が腐ってしまうので、宜しくない。
ところが、悪戯好きのカラス達は、
はるか上空からロールをめがけてダイビングして来ては
クチバシの形の穴をスポンッと空けてしまうのだ。
我が家には夫婦カラスが住んでいる。
その夫婦がなかなかのヤクザ者で、
大変悩まされていたのだ。
夫は開けたロールの中身が腐っていた時には
当たりもしないのに、カラス夫妻に向かって石を投げていた事がある。
黄色やピンクはカラスには見難いらしく、
その色のラップで包んだロールは見つかり難いそうだ。
「見つかり難いったって、直径1.5m程あるよ・・・」
効果の程はまだ不明ですが、カワイイので良いのだ。
妻は生まれ変わっても、カラスにだけはなりたくない、と思う。
カラスにはこのカワイイ世界は見えないらしい。