熊ちゃんの熊さんが

「三谷さん、熊が出てきてるっけから、気をつけてえ〜」
最近はこのような電話をよく貰う。
山菜や筍のシーズンだ。
地元や、もっと遠くからやって来る人々が
わんさか山に入り、
ウハウハ言いながら、採取に励むのだ。
人が山に入って行くと、山の熊が追い出されてしまい、
こうして人里に姿を現すようになるそうだ。
人は熊を警戒して鈴とかラジオを持って行くけれど、
熊も人が怖くて逃げ回っているそうだ。
そんな逃走中の親子熊が、我が家の周辺を徘徊している。
目当てはお隣の牧場が山積みにしている
トウモロコシで、大きな黒い腕で
ワッサ、ワッサと掘り返して食べまくっているそうだ。
「熊か〜、見てみたいよな〜」と
呑気に構えていたけれど、
たまたま写真撮影に成功した友人に見せてもらった熊は
物凄く大きくて、黒くて、やさぐれてて、
「・・・ヤクザだ!」と思った。
会いたくない。
危険なムード満載でトウモロコシを頬張っている写真に
すっかりビビッてしまっている。
熊のう○ちも、あちこちで発見されていて
確かな徘徊の足取りを掴む事ができる。
最近では、牧場から町道に出るまでの
細い砂利道でも、う○ちが見つかり、
「いつ歩いていらっしゃるのかな」と
恐怖している。
熊さんは、熊ちゃんのお家の裏山に住んでいるのだ。
早く、早く山菜シーズンが終わって
熊さんに安住の地を返還してほしいものである。