「この世に虻さえいなければ・・。」
牧場を始めてから、何度となくつぶやいた言葉である。
ここ奥中山の程よい水辺と清浄な土壌が
弾丸吸血鬼・虻を大量発生させるのだ。
炎天下の牧草地に、牛達が出ていこうものなら
シュッシュシュッ!!!と黒豆ほどの
礫が四方八方から飛んできて
牛達(特に黒っぽい子)は
きゃーきゃー言って逃げ惑い、
柔らかい乳房をブチブチ刺される。
かたや虻は吸血してぷっくり太り、なお吸血しにリターンしてくる。
もう、その様子はまさに阿鼻叫喚。
「た~すけて~~~~!!」と
牛達はダッシュで牛舎に戻ってきて
蒸し暑い舎内で虻からの襲撃を少しでも避けようと
身を寄せ合うのである。
そして、今度は「暑い・・・」と
文句を言い始めるのだ。
そこで、数年前からこういった状況になった場合の
対策として「でっかい扇風機」を取り付けた。
牛達は涼がとれるし、しつこく牛舎に飛び込んできた虻は
送風でバランスをくずし、上手く狙いを定められなくなる。
今年はさらに、もう1個追加で取り付けたぞ!
年々暑さが増すような気がするので、
牛達のご要望にお応えして、牛舎天井に3台!
スイッチオンすれば、
そよそよ~なんてもんじゃない、
ぼ~ぼ~と突風が吹き抜け、にっくき虻達さようなら!
グルグル回転翼!ジェット機並みです!