水道管破裂

この土日は冷え込んだ。
今年は遅めの初雪のくせに、
早速、氷点下の世界がやって来た。
肌がピリピリするような、お腹の中までヒリヒリするような
激寒ワールドだ。
そして、今年も早速やってしまった。
水道管の凍結・・・。
我が家の牛舎は隙間風が吹き荒び、
外気温と大して変らない作りで、
毎年、牛の水飲みカップに繋がるゴムホースが
凍結してしまう。
凍る度にお湯をかけて、ひたすら溶けるのを待つ。
ゆっくりお湯をかけ、かけ、水飲みカップを回っていると
牛たちが鼻先で突いてきたり、舐めてきたりと
「ちょっかい」を出して来る。
「やめろよ〜」とじゃれ合い、逃げあいながら
順番に進んでいく。
そして、1番奥の子牛の場所に来た時・・・

奇妙に膨れ上がったゴムホースが・・・。
指で摘まんでみると、
まるで水風船のようにプクッと膨れたまま凍っていた。
「あれ?なんだろ?これは?」と
さらに指先でグッと押してみると
水風船の丸みから水がシトシトと滴り落ちてきた。
このゴムホースは2層になっている
雪国仕様の頑丈なホースだ。
そのホースの表面が擦り切れて薄く白くなっている。
どうやら、誰かがこのホースを磨り減らしてしまったのだろう・・・。
そこに来て氷点下になったものだから
水が膨張して、薄くなったゴムホースを
突き破ってしまったのだ。
つまり、破裂した・・。
「ああっ!ホースが!!」
悲鳴を上げる妻の前で
子牛が有らん限りの力を振り絞って
妻の服の裾を掴もうと、舌を伸ばしている。
応急処置にとビニールテープを巻いてみたが
結局、ホースを挿げ替えるという事件になった。
「一体、なぜ?誰が?どうやって?」
・・と謎を抱えて、再び牛舎に戻ってみると
応急処置を施したはずのビニールテープが
ケソケソしている。
「ああっ!まただ!」
悲鳴を上げつつも、チラッとそばにいる子牛を見た。

「犯人はお前かぁ〜・・・」
怒ろうかな、と思ったけど
トホホっと苦笑いしてしまった。
愛くるしい犯人に告ぐ
再犯は無しですよ。