藤原養蜂場さんの復興支援

「私1人だと、大した事は出来ません。
 だから、会社にもお願いしちゃいました。えへへ。」
と、後ろ頭を擦っているのは、
藤原養蜂場のアイスクリーム工房工場長のOさんだ。
このジェラート屋さんでは、震災で被害を受けた方々の
復興支援になればと、被災地で生産されている食材を使った
ジェラートを販売し始めたのだ。
その中でも、鮭の中骨を使ったアイスは、
中骨の粉末をサブレにしたものが
アイスに練りこまれている。
「自分は炊き出しとかで、何度か行ってたものですから
 なんとかしたくて。
 継続的に、そこの方達を支えたいって思ったんです。
 だから、生産して下さったものを買って、
 売上げの一部も義援金にするっていう方法がいいかなと思いました。
 避難所暮らしをする人達の中には、障害を持った人達も
 いたんです。避難生活が長くなればなるほど、
 障害者の方達は疎まれてしまって・・・。可哀そうだったんですよ。
 だから、この中骨クッキーは被災地の福祉施設に委託製造して
 作ってもらってます。
 自分達も復興に携わっているんだって、感じて欲しい。
 そうすれば、心も元気になれないかな〜。」
Oさんは、そう言って照れ笑いした。
このお話は、とってもありがたいものだった。
曲がりなりにも、乳製品生産者である三谷には
被災地の方々の「売れるもの、食べてくれるもの」を作るという事の
心の支えがどれ程大きなものか、よくわかるのだ。
今、作っているものは無駄じゃないっていう気持ちが
どれ程生産者にとって重要なことだろうか。
これは売上げとか補償金とか、そういうお金とは全く無関係な
心の中の柱なのだ。
自分の存在なのだ。
だから、とってもありがたい、と思った。
Oさんも、藤原養蜂場さんも、どうもありがとう。
これからも、絶対頑張って下さい。